2015年06月17日
ようこそ、わが家へ
大分は月9の放映は夜中なので録画して観ました。
終わっての感想は、沢尻エリカが犯人じゃなくて良かったです。
このドラマで彼女の評価がすこし変わりました。
livedoorニュース
終わっての感想は、沢尻エリカが犯人じゃなくて良かったです。
このドラマで彼女の評価がすこし変わりました。
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相葉雅紀の月9『ようこそ、わが家へ』 幕引きは斬新だった
「月9」として、この作品は健闘したといっていいだろう。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。
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ドラマ『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系月曜午後9時)が最終回を迎えました。視聴率はラストへ向かって右肩上がり。15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、「最終回が最高の数字」。連ドラとして実に幸せなパターンで幕を閉じました。
いや、数字だけではなかった。「女性1000人が選んだ好きな春ドラマ」(オリスタ)の1位に選ばれたり、ネット上の感想欄で5つ星がズラリと並んだりと、好評です。
回が進むごとに人気が急降下、というのはよくある話。ところが今回はその反対。なぜ、視聴者の関心を持続的に引き寄せることができたのか? じわじわと期待が高まっていった理由とはいったい何だったのでしょうか?
嵐・相葉雅紀の「月9」初主演とか、『半沢直樹』の池井戸潤作品が原作、といった話題ももちろんありましたが、それだけでは説明しきれない。おそらく、次の「3つのポイント」が、秀逸だったのでは。
【1】原作をいかにテレビドラマ化するのか
優れた小説が原作、ということは、描く確固たる世界がありそれを役者や制作陣が明快に把握でき、視聴者にも伝わり易いという、数々の利点があります。しかしその一方で、推理的な筋立てとしてはマイナス。事前に原作を読んでしまえば結論・犯人がわかってしまう。決定的弱点と言えるでしょう。
『ようこそ、わが家へ』は、その「弱点」を克服し、むしろ「強み」にする仕掛けが優れていました。
原作の主人公は父親。しかしドラマでは主人公をその息子(相葉雅紀)に変え、さらに狂言まわし役として新たなキャラクター、ライターの神取明日香(沢尻エリカ)を登場させ犯人捜しのキーマンとして機能させた。さらに主人公の妹(有村架純)の元カレ等も絡ませて、家族それぞれに緊張感のある問題を作り出しては、それぞれの謎解きを。こうして最後まで緊張感を持続することに成功。
つまり、しっかりした小説の世界観の上に、ドラマオリジナルの脚本力、構成・演出力が加わった。原作をテレビドラマ化する際、いかに魅力を加えて輝かせるか、という実験が成功した事例、と言えるのではないでしょうか。
【2】刺激を「盛る」演出ではなく、控え目、抑え目、引き算が世間の感覚と共振した
池井戸小説の特徴は、スーパーマンも決定的な悪人もいない。ちょっとした掛け違い、行き違いが、現実の問題を生み出していく。同時に、普通の人が普通の生活の中でいかにコツコツとまっとうにまっすぐ生きるか、その格闘ぶりを丁寧に細やかに描きだす点にある。ドラマのオリジナルの部分にも、そのトーンがちゃんと通じていました。
例えば、ライターの明日香がとった行動。一家の事件を描き出した本を、最終的には出版しないで家族にだけ手渡すというくだり。刺激を「盛る」方向ではなく、抑え目、控え目、一歩下がる形で物事を収めていく物語の作り方。それが、「普通の生活」をしている人々の心を揺さぶり、多くの人々の共感を呼んだ。
ドラマというと「フィクションだから」という言い訳のもとに、「日常にはあり得ない」刺激的で派手な展開にもっていきがち。それが結果として荒唐無稽に陥るのは、NHK朝ドラ『まれ』を見ればわかること。今の時代、視聴者は「盛り」とは逆のベクトルを求めているのかもしれません。それが『ようこそ、わが家へ』の好評につながった。
【3】アメリカの人気ドラマを研究?したようなエンディング
最終回、しかも最後の最後に、玄関の植物が荒らされているシーンが映った。まるで物語の冒頭に戻ってしまったかのような、不気味なシーン。「事件は解決したのではなく、延々と続いていく」という余韻を残しました。
ご存じのように日本の民放ドラマはたいてい3か月間ワンクール、10回程度で終わるのが基本。このドラマも間違いなく最終回、ハッピーエンドと、視聴者に思わせておいて、「次につながっていく予感」を埋め込んだ。ふと、長期間連続していく海外ドラマのスタイル、「物語はまた次へとつながっていく」手法を連想させ、斬新でした。
この終わり方については賛成反対あるようですが、とにもかくにも「続編があるのかどうか」と話題が盛り上がっています。制作サイドとしては狙い通り、といったところでしょう。
というように、『ようこそ、わが家へ』は既存の連ドラに対して、良い意味で問題提起をしました。ドラマ界に斬新なチャレンジが生まれれば、次に秀作が生まれてくるという期待も大きく膨らむ。チャレンジとは、現場の「やる気」そのものですから。