2015年03月10日

フィトケミカルはいらない

Facebookの記事をシェアしたものです。

「生姜は体を温める」「いや、生姜はかえって体を冷やす」という賛否両論の意見をFBやブログ等でよく見ます。この論争ほどバカバカしいものはなく、いつみても失笑してしまいます。

生の生姜に含まれるジンゲロールは手先や足先の温度は上げるが深部体温は下げ、一方、生姜を加熱や乾燥するとジンゲロールが変化して生成されるショウガオールは体の深部から温度を上げる働きがあります。しかし、ジンゲロールにしてもショウガオールにしても皮膚の毛細血管を拡張させるため、体が汗をかき、熱の放散を高めて体温を下げようとする自律反応が早かれ遅かれ起こります。つまり、短期的に見れば体は温まり、長期的に見れば体は冷える場合があるのです。また、仮に生姜湯などを毎日飲む習慣になれば、体が徐々に生姜湯に適応していき、体温上昇維持がとれず、かえって冷え性になる可能性も出てくるでしょう。トウガラシの成分であるカプサイシンも同様です。

ヒートテックや腹巻きみたいなもので、その時は温かいかもしれませんが、それを毎日着用すると、ヒートテック無しでは体温維持がはかれなくなるのと同じです。

ジンゲロールといわれる成分は最近注目されているフィトケミカルといわれるものです。フィトケミカル信者に目を覚ましてほしいのですが、そもそもフィトケミカルは植物にとっての必要な栄養素であり、動物である私たち人間には全くもって必要のないものです。

よって、それが(生姜論争のように)良いとか悪いとか温めるとか冷やすとかを判断する事態愚かなのです。

昔から「薬草」という言葉があるように、植物に含まれるフィトケミカルのような成分の有効活用の発端は、あくまで病んでいる人間がその成分を利用したことから始まっています。今では、調子の悪い人がいればその症状を判断して、適した薬品が処方されますが、古来では漢方のように薬草を潰して混ぜたり、煎じたりしながら、そのフィトケミカル等の成分を利用して、解毒や抗酸化作用を発揮させたものです。フィトケミカルは数千年に渡ってこのように薬として使用されてきた成分です。薬は栄養素ではなく、どちらかというと毒素であり、それを条件によって有効利用したものにすぎません。

サポニンというフィトケミカルがあります。これも栄養学を発信している先生方によって賛否両論です。サポニンは、ごぼう茶などに多く含まれ、体内の脂肪やコレステロールを吸着して排泄する(界面活性作用)という宣伝文句で登場します。しかし、そもそもコレステロールを排泄するべき正当な理由は既に崩壊していますし、この界面活性作用は細胞膜を溶かすこともわかっていますので、体には不要なものです。

次にフィトケミカルであるポリフェノールを考えてみましょう。ポリフェノールでよくあげられる機能は抗酸化作用です。この「抗酸化作用」という言葉こそ詐欺の手口によく使われるものはありません。

そもそも考えてください。抗酸化作用というと何か聞こえがいいように思いますが、ポリフェノールは人体の必須栄養素では全くありません。抗酸化とは、体内の活性酸素を無害化し、酸化物質を還元化する作用のことです。しかし、通常の私たちの生体には抗酸化酵素があり、これらが不必要な活性酸素が除去します。ポリフェノールというフィトケミカルの力を借りてまでも除去しなければならないほど過剰な活性酸素が存在すること自体、不思議であり、異常なのです。また、活性酸素は本来悪玉ではなく、人体にとって必要な武器なのです。たとえば体内に細菌やウイルスがいれば、体は活性酸素という武器を使ってこれらを退治します。

こういった流れから、フィトケミカルを使って抗酸化作用を発揮するという考えは、そもそも皆さんはもともと病気であることを前提に言っています。もしあなたが健康であり、体の調子が特に悪くないのなら、必須栄養素もでないポリフェノールを摂る必要があるのでしょうか。それは単にフィトケミカルという(作用も副作用もある)薬品的成分を売り文句に稼ぎたい企業戦略に乗せられているだけにすぎません。

確かに、悪い生活習慣が原因で体調を整えるのにフィトケミカルは有効かもしれませんが、それはあくまで薬としての作用(解毒、抗酸化、体熱作用など)が聞いただけに過ぎず、根本の解決にはなっていないのです。

野生動物が食事として植物を食べる場合、それは植物に含まれるたんぱく源や炭水化物などのエネルギー、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素を目的に食べているのであり、フィトケミカルが目的ではありません。野生動物は人間と違いフィトケミカルの耐性を持つものも多いはずですから、食べても平気なのです。

緑茶に多く含まれるフラボノイドのカテキンも賛否両論です。賛否両論なのは当然なのです。昔から緑茶を飲んでいる日本人には比較的耐性の可能性があり、緑茶の飲む習慣の無かった外国人には障害があることもありえます(肝臓障害とか)。タンニンという生物毒に関しても有効利用する方法もあれば、単に粘膜の変性作用を起こすこともあるのです。

野菜に含まれるβカロテンも体に良いイメージがありますが、肺がんや前立腺がんなどの報告があります。フィトケミカルで硫黄化合物のイソチオシアネート類も解毒作用として利用できますが、使い方によっては膀胱がんをもたらしてしまうという報告もあります。

植物油に含まれるフィトケミカルであるフィトステロールは人体のコレステロール吸収を阻害します。コレステロールが悪玉でないとわかった今、むしろコレステロールはなくす必要のないものです。今までコレステロールを減らすと喧伝してきたものは不必要であるばかりか、逆に人体の代謝を阻害する悪玉なのです。

さて、その他にもフィトケミカルは多々あります。アントシアニン、イソフラボン、アリシン、ルテイン、リコピン、などなど、これらは健康的で正常な人は意識して摂る必要は全くありません。もちろん、体調を崩し回復するために、それらを利用することは一つの手でしょう。

フィトケミカルを推奨している人は、私が見る限り、健康食品企業、菜食主義推進者、それらに踊らされる無知な人、の3パターンです。

過剰摂取を試みた人は体のどこかで異変が起きてくることでしょう。

biomasa at 09:34コメント(0)memo  この記事をクリップ!

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西野流呼吸法とソシアルダンスと海外ミステリをこよなく愛しているおいさんの Diaryです。
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